Hareru 製造顧問 野村 素由
三顧の礼で迎えた職人の中の職人が製造
昔ながらの民家を利用した工場でHareru(ハレル)のバックは製造されています。
製造の中核を担うのはこの道40年の野村素由氏。
私はこれまで沢山の職人さんを見てきましたが、野村さんは別格でした。
「職人さんは皆同じゃないの?」「何が違うのか分からない?」
ものづくりの世界を知らない方にはきっとそう映ると思います。
そこでこのページでは、本物の鞄職人の世界の説明をさせて頂ければと思います。
使い込まれた包丁
写真は野村さんが使い続けている革包丁です。
10年以上同じ包丁を使い続けておられます。
元々の大きさに比較的違い物が写真右の革包丁。
日々研いでは使い続けて行く間に、ここまですり減っていきました。
私(高)自身も鞄業界に9年おりますが、ここまで包丁1本1本を大事に使い続けている方は初めてです。
写真のように爪に包丁の歯を乗せた時に、引っ掛かかる感覚のあるものが切れる包丁の特徴ですが、野村さんの包丁は常に引っ掛かりがあり、意識の高さがうかがえます。
本職以上の革漉き(かわすき)の技術
レザーの鞄を作る際には必ず革漉き(かわすき)という作業工程があります。
革スキとは、レザーの厚みを用途によって削り分けることで、レザーバックの出来を分ける大きな要素の一つです。
革スキ技術は非常に奥が深く、ひと昔前は革スキを専門にしている業者が沢山あったぐらいです。
因みに、私の前職の工房は革スキの工程を全て専門業者(外注)に出しておりました。それぐらい難しい工程の一つが革スキです。
野村さんはこの作業を専門業者以上に自らこなされます。
それは元々、クロコダイルやトカゲ等の爬虫類(いわゆるエキゾチックレザー)の鞄を専門に製造されていた経験と技術をお持ちだからです。
※素材が変わるごとに一本一本厚みを確認する様子
変幻自在のミシン縫製
Hareru(ハレル)の最大の特徴である市松模様は野村さんが縫製されます。
この市松格子、ミシンの定規(脱線防止カイド)を使用することができません。
それは厚さ・高さの違う素材を縫う必要があるためです。
野村さんは市松格子柄の、3.2mm幅のレールの上を、全てフリーハンドで縫製されます。
これぞ海外製品・大量生産製品では決して実現しない本物の職人の技です。
総合力の結晶
道具の使い方・革漉き・縫製、これらの特徴的な要素を紹介いたしましたが、他にも革裁断能力・型見本切り出し能力等、全ての能力が高いのが野村さんの特徴です。
Hareru(ハレル)はこの野村さんの協力あってこそ実現した和トートバックであり、作り手の野村さんと共に、自信を持って世に送り出せるブランドです。